理由は‥
①語り口調の軽妙さ。
サクサク読めるし、性別に関係なく受け入れられやすい雰囲気がある。 わたしは伊坂さんはきっとモテるだろうな、とひそか に思ってる。異性にも同性にも、嫌われないんじゃな いかな。
②読み出したら引き込まれて、止まらないスピード感。
複雑に入り組んで、時系列もバラバラ‥そんなことも多々ある伊坂さんの作品だけど、それでも続きが気に なって止められない。 作品同士もリンクしていたりして、一冊読んだら連鎖反応で読みあさってしまう、そんな中毒性も。
③言葉に重みがある!
サラサラ読めるのに、時々グサリと突き刺さるような 言葉を潜ませてる。その言葉に勇気をもらったり。何 気ないシーンのセリフなのに、やたらずっしりと重みを感じることもしばしばあるんだ。
というわけで、すっかり伊坂さんファンなんだけれど、また一冊いい本に出逢いました。【砂漠】。
砂漠/伊坂幸太郎 |
タイトルからして、何だか暗そうな‥先日読んだ【モダンタイムス】や【魔王】のような、壮大なテーマな のかと思いきや、舞台は仙台のとある国立大学(東北大学かな?!)
そう、伊坂さんの小説にはあまり見かけることのない、青春小説なんだ!
法学部のクラスで出会った、個性豊かな男女5人が主人公。 それぞれ素敵なキャラクターばかりで、それがより一層、物語に彩りを添えてると思う。彼らが出会ってからの出来事を、四季折々の季節感と絡ませながら、進んでいく物語*
読んでいるうちに、大学生活が、懐かしくなってくるんだ。
大学時代‥振り返ると毎度、「何してたんだっけ?」ってパッと思いつかないんだけれど、みんなそんなモンなのかな?
授業に出て、食堂やベンチでひたすら語り明かして、 バイトして、サークルでテニス‥はあんまりしてなかったけど;笑 サークルのみんなと飲み明かしたり、カラオケやボウリングしたり‥(ああ、あの小さな学生街の、カラオケ屋さんやボウリング場が懐かしいね!)
何でもない毎日を、特に何をするでもなく生きてたんだよね。
平凡だけど、特別幸せな毎日だった。
社会人になって、それなりに時間もたって、社会人の生活に慣れてしまった今だからこそ、伊坂さんの【砂漠】という比喩に大きく頷ける。 あの頃には気がつかなかったけれど、大学生活はオアシスと砂漠のギリギリ境目に立っていたんだと思う。
物語の中の大学生たちも、オアシスの中をグングン進んでいく。砂漠に向かって。 その姿をあの頃の自分たちに重ねながら(勿論、小説のような大きな事件はなかったけどね!)読み進めていくんだ。 せつない気持ちと、羨ましい気持ちがないまぜになったよ。
これは、大学生よりも社会人になった人に染みる作品だと思う。周りの同世代の友達たちに、もれなく薦めたいな!
でもね、砂漠は絶望じゃない。今は思ってる。砂漠だって、悪くないよ。
この作品のベースには、サン=テグジュペリの【人間の土地】という物語があるんだけれど、わたし、これ はまだ読んだことがなくて。 一体、どんな物語なのか‥というわけで、今日急いで買ってきたよ!笑
これについては、また後日‥♡
モダンタイムス(上)/伊坂幸太郎 |
モダンタイムス(下)/伊坂幸太郎 |
魔王/伊坂幸太郎 |
人間の土地/サン=テグジュペリ |
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