2012/02/21

おべんとうの時間♡

わたしの好きな本を、誰かにオススメする。オススメした人が「読んだよー!」と報告と共に感想をくれる。「あの部分が良いよね♥」とひとしきり、本の話題で盛り上がる。そんな一連のやり取りが好きなので、ブログでも好きな本、面白かった本をちょくちょく取り上げます。

いつか、こういうことをもっとたくさんの人相手にできたらなぁって、よく思う。本屋さんとか、図書館とか、もっと他のカタチででも。本についてのコラムなんかを書けたら、そして沢山の人に読んでもらえたら。わたしの野望のひとつ。

というわけで、今日もひっそりと、本について。
【おべんとうの時間】という本。これは、意外と多くの人が目にしたことがあると思う。本そのものではなくて、ANAの機内紙【翼の王国】で。長く連載されている、エッセイが1冊にまとめられたもの。元々はわたしも、帰省や旅行でANAを利用するたびに、まず真っ先にページを開く大好きなコーナー。


普通の高校生やおばあちゃんや、駅員さん。ごくごく普通の一般的な人のお弁当の取材を通して、その人の人となりや、人生観を浮き彫りにしていく素敵な企画。普通の人の普通の言葉から、ふと、幸せの本当のあり方を教わったりする。
この企画は旦那さんが写真を撮って、奥様が文章を書いて。お子さんが小さい時には家族で取材先まで出向いてたんだって。ああ、なんてあったかいんだろう!!

ここに登場するお弁当はどれも、決してお洒落で豪華なお料理でも、はやりのキャラ弁でもなく、やっぱりごくごく普通。のり弁。玉子焼き。おひたし。昔、遠足の時に、ハハが持たせてくれたような、素朴で冷たくなってもあったかく感じたような、懐かしい【おべんと】。読んでるうちに懐かしさが生つばと一緒に込み上げてくる。ゴックン。

一人暮らしをしている今、こんなおべんとが一番食べたいかも。なかなか食べることの無くなってしまった、ハハのお弁当を恋しく思い出す。読み終えるとお腹の辺りがじんわり温まって、しみじみと優しい気持ちになる。


ふと寂しさを感じる冬の午後、思い出したようにページをめくる。

ご馳走様でした。

おべんとうの時間/写真 阿部 了 文 阿部 直美

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