2012/10/15

天地明察♡

自分は何のために生まれ、何のために生かされているのかを、とことん考え、突き詰めていった人の話。
【天地明察】はどんな話?と聞かれたら、そう答える。

天地明察(上)/冲方丁
天地明察(下)/冲方丁 

春海は戦国の世が終わり、今まさに天下泰平、安定した世の中を継続していくべく、試行錯誤し始めた江戸時代の日本に生きた人。

春海の生きた世は、現代の日本に通ずるところがあるのかな、と思う。
もはや戦後のように急激な成長はないだろう、緩やかに下降曲戦を描きつつ、いかにして、この【安定したように見える】世の中を継続していくべきか、を模索中の日本のようで、考えることが多かった。

いや、実際に考えていかないといけないのよね、わたしたちの世代が。わたしたちより、もっと下の世代も含めて。

このままでいいのか、今よりも【幸福だ】と感じられる世の中にするにはどうしたらいいのか。【サステナビリティ】という言葉が使われるようになって、しばらくたつけれど、そもそも【サステナビリティな世の中】って何だろう?どこへ向かうべきなのか?


春海は、四苦八苦しながら、時には自分自身の在り方と向き合って苦しい思いもしながら、当時の【常識】だった【暦】を変えようとしていく。
常識を覆して、これまでとは違う【泰平の世の中】を人生をかけて作ろうとしていく。

そこに、本当にロマンを感じるんだよね。

こんな人が、今の世の中、どれくらいいるだろう?
わたしも含め、なかなか居ないのでは、と反省のような、寂しさのようなものを感じながら読み進めた。

勿論、一人では決してなし得ない【改暦】、常識を覆すこと。
周囲の人、目上の人の強い想いと願い、期待を背負って。
天才的な才能の力をかりて。
自分自身の力を振り返り、猛省し、磨きをかけながら、【大きなもの】に対峙していく姿は、今まさに必要とされる【人材】なのかもしれないね。。。

若い時代を中心に詳細に描かれていくのは、著者が若い世代だからなのか、はたまた、【若い世代にはこうあってほしい】という、これまたある種の期待のあらわれなのかしら。

個の力は限りなく小さく、決してわたし自身が、大きく何かを変えられるとは思えないのだけれど、何か出来ないかと考えた時に、この作品を広めることならば出来るのではないかと思って、このブログを書いています*
どこかの誰かに届くかもしれない、そこから、また輪が拡がれば、いつかは何かが大きく変わるのではないかという、ささやかな願いもこめて。

良い作品でした*サイン本買っちゃった♡♥若い世代にぜひ読んで欲しいし、わたしよりも上の世代の方には、こんな風に若者たちを育てていって欲しい、とも思ったよ。


ぜひ、読んでみてください!

大好きな岡田くんが主演の映画【天地明察】も観てみたいな~♥映画は岡田くん鑑賞が中心になるかもしれないけど!笑


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