その日に限って、なぜか眠れなかったわたしは、生まれて初めて【寝たフリ】をした。口から寝息っぽいものをスーハースーハーと出して、一生懸命【寝たフリ】。周りの子は、みんな寝ついてしまって、本物の寝息が聞こえる。絵本を読み聞かせながら、寝かしつけていた先生も、もう読むのを止めていて・・・起きていると気づかれたらどうしよう、先生に怒られるかな?それとも困らせるかな?そんなことばかり心配になって、ドキドキしていた。
あの日、先生が読み聞かせてくれていたのが【窓ぎわのトットちゃん】ではなかったか?
今となっては確かめるすべはないけれど、【窓ぎわのトットちゃん】と聞くと、あの日のドキドキと、嘘をついているという後ろめたさが一緒になって蘇ってくる。
窓ぎわのトットちゃん/黒柳徹子 |
随分長らく、読み返すことのなかった黒柳徹子さんの有名な【窓ぎわのトットちゃん】。あの日聴かせてもらっただけで、どんなお話かも全く忘れてしまっていたけれど、以前、やはり黒柳徹子さんの【徹子さんの美になる言葉】を読んでいて、「ああ、絶対に読もう!」と思っていたんだ。
徹子さんの美になる言葉/黒柳徹子 |
児童書であり、大人が読んでも学ぶべきところのたくさんある本。
たくさん、たくさんあるけれど、特に素晴らしいなぁと感じた点、一つ目。
トットちゃんの周りにいた大人たちの素敵なこと!
小林校長先生とトモエ学園の子どもたちとの交流は、表面的じゃなくって、もっと深いところで繋がっている、って感じがトットちゃんの文面から伝わってくるんだ*
なんて言うのかな・・・子どものことを全面的に信じている感じ。どんなにハチャメチャであっても(これはトットちゃんね♡笑)ハンディキャップを持っていても、全て子どもたちの可能性に任せて、そっと見守っている‥そんなスタンスの小林校長先生がとっても素敵だ。
そして、トットちゃんのお母さんも。わたしが人の親になることがあったら、こんなにも子どもの視点を大事にしてあげられるだろうか。
二人に(それだけじゃない、お父さんも良ちゃんもきっと、)共通して言えるのは、子どもを【一人の人間】として、大人も子どもも関係なく尊重しているということ。
大切なこと。今後もきっと忘れちゃいけない、と思う。
素晴らしいなぁと感じた点、二つ目!
それは、トットちゃん=黒柳徹子さんの記憶力ね!
トモエ学園の生徒として過ごした、おおよそ一年ちょっとか、それくらい、毎日カラフルに目に見えるもの総てを、覚えていたんじゃないかと思えるほどあざやかな記憶の数々。まるで、昨日のことのように、でも明らかに子どもの目線で綴られた毎日。
黒柳徹子さん、もはや妖精なんじゃないだろうか。。。
本当に素敵な、素敵な本で、世界各国で翻訳され読みつがれているというのも納得だよ♡
折に触れ、きちんと読み返そう。知りたがりのトットちゃんの感性を自分に取りこもう。いつか、子どもができたなら、わたしもやっぱり読み聞かせてあげたい*
そうして、事あるごとに必ず言ってあげよう。「きみは、本当は、いい子なんだよ!」
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